画像診断医によるがんのセカンドオピニオンを受けたわたしは本来痛みには結構強い方で、田町で丁寧な歯医者は点滴の針入れなどでは顔色一つ変えません。ですが高校二年生になった時に受けた歯科治療で、細い針金で虫歯のところをがりがりと削られるという初めての経験に震え上がりました。針を刺される痛み、生理痛などのお腹の傷み、捻挫や打撲などの傷み……。ありとあらゆる痛みを経験してきましたが、あんなふうに背中がぞわぞわと寒気が走るような痛みは初めてでした。本当は暴れだしたかったですが、さすがに高校生。歯を食いしばることはできませんでしたが、拳を握りしめて耐えました。
それから数年後、大学進学による引っ越し先の別の歯科で、わたしは「歯科治療恐怖症」と言われました。今にも震えだしそうなわたしを心配してくれた歯科の先生は、小さな一回一回の治療にも麻酔を用いたり、「今からどんな治療をするか」を説明してくださったので、何とか虫歯治療を終えることができました。新しい町の歯科医さんにとても感謝しています。